大学院生が中性子星に関する論文を発表しました

大学院博士課程3年生の野呂凱人さん(北林研究室)の論文が米国物理学専門誌フィジカル・レビュー・C(Physical Review C)に掲載されました.米国アルゴンヌ国立研究所のIan C. Cloët先生,東海大学のWolfgang Bentz先生,北林先生との共同研究です.

中性子星はブラックホールの次に強い重力を持つ超高密度な天体です.たくさんの中性子でできています.野呂さんは中性子がクォークとよばれている素粒子の塊であることに着目し、極めてミクロなレベルで中性子星の内部を理論的に調査しました。この研究では,原子核理論,素粒子理論,アインシュタインの一般相対性理論などが使われました.

https://journals.aps.org/prc/abstract/10.1103/PhysRevC.109.025205

大学院生が中性子星に関する研究発表をおこないました。

ほ座のベラ・パルサー。この中心に中性子星が存在する。
(https://ja.wikipedia.org パブリック・ドメイン)

北林研究室の博士課程3年生、野呂凱人さんが京都大学で開催された「~中性子星の観測と理論~研究活性化ワークショップ2023」で研究発表を行いました。中性子星はブラックホールの次に強い重力を持っている天体で、主に中性子でできています。野呂さんは中性子がクォークとよばれている素粒子の塊であることに着目し、中性子星の内部の状態を理論的に調査しました。その結果、中性子星が安定して存在するための条件の1つを、これまでにないミクロなレベルの研究によって得ることに成功しました。中性子星は強重力天体のため、この研究には素粒子理論だけでなく、アインシュタインの一般相対性理論も使われました。

中性子星にはまだまだ謎がいっぱいあります。野呂さんは「ハイペロンパズル」とよばれている難問にも意欲的に取り組んでいます。野呂さんの今後のご活躍が楽しみです。

付属相模中学校、研究室訪問

2023年9月12日に付属相模中学校の生徒さんが河内研究室(宇宙物理)を訪問してくださいました。この訪問は中学生たちに実際の学問・研究の場である大学を見学してもらうことを目的としたもので、大学と附属中学校の連携を深める一環として実施されました。

研究紹介以外に、学生たちとの交流の時間が設けられ、研究や勉学に対する疑問や興味を自由に話すことができました。

西嶋恭司教授の退官記念講義

3月18日に、2022年度をもって退職される西嶋恭司教授の退官記念講義が開催されました。西嶋教授は、長年にわたりニュートリノ実験、ダークマター探査実験、ガンマ線天文学などの分野で研究を進められてきました。この特別な講義では、西嶋教授が本学着任以前から取り組んでいた物理学の研究から、最近の成果に至るまで、幅広いトピックに触れていただきました。

長年にわたり、物理学科での研究・教育活動に尽力されたことに心から感謝申し上げます。退官おめでとうございます。

2年生が春の学校に参加しました。

2年次生の白澤さんが総合研究大学院大学、国立天文台が主催する「第13回総研大・国立天文台スプリングスクール(春の体験入学)」と国立天文台が主催する「国立天文台 科学研究部 春の学校2023」に参加しました。白澤さんから「理論研究や観測研究、装置開発など様々な分野から天文科学を学ぶことができ、興味がより一層深まりました。実際の研究の体験や参加者同士の交流の場も設けられており、研究の難易度の高さや参加者の熱意の高さを実感しとても良い刺激になりました。」とコメントを頂きました。イベントの詳細は下記リンクを参照してください。

国立天文台 科学研究部 春の学校2023
第13回総研大・国立天文台スプリングスクール(春の体験入学)

プレスリリース 宇宙暗黒物質の起源と正体を探る

 


物理学科の櫛田教授と西嶋教授が所属する研究グループの論文が米国物理学専門誌 フィジカル・レビュー レターズ (Physical Review Letters) に掲載され、プレスリリースを行いました。

理学部物理学科の櫛田淳子教授と西嶋恭司教授が所属している国際共同プロジェクト「MAGIC」グループは、スペイン領カナリア諸島ラパルマ島にあるチェレンコフ望遠鏡を用いて、天の川銀河中心を約7年間観測し、宇宙の暗黒物質起源の高エネルギーガンマ線を探索しました。その結果、暗黒物質になりうる新粒子として有力である超対称性粒子が予言するテラ電子ボルト以上の質量領域に世界で初めて到達し、暗黒物質の素粒子的な性質に強い制限を与えました。MAGICグループには東海大学の大学院生も多数所属し、宇宙における高エネルギー現象の解明に向けて研究をしています。詳しくは、東京大学宇宙線研究所プレスリリース(下記リンク)をご覧ください。

東京大学宇宙線研究所プレスリリース