物理学専攻の大学院生が国際会議で研究成果を報告

物理学専攻大学院生がアメリカ・サンフランシスコのモスコーニ・センターで開催された国際会議、”Photonics West 2024”で口頭発表を行いました。自動運転などで注目されている「LiDAR」と呼ばれるリモートセンシング技術では、短いパルス幅で高出力なレーザー光が求められます。異なる波長のレーザー光を同時に入射することで高出力な短パルス光を生み出すことができたという研究成果を報告しました。

大学院生が中性子星に関する論文を発表しました

大学院博士課程3年生の野呂凱人さん(北林研究室)の論文が米国物理学専門誌フィジカル・レビュー・C(Physical Review C)に掲載されました.米国アルゴンヌ国立研究所のIan C. Cloët先生,東海大学のWolfgang Bentz先生,北林先生との共同研究です.

中性子星はブラックホールの次に強い重力を持つ超高密度な天体です.たくさんの中性子でできています.野呂さんは中性子がクォークとよばれている素粒子の塊であることに着目し、極めてミクロなレベルで中性子星の内部を理論的に調査しました。この研究では,原子核理論,素粒子理論,アインシュタインの一般相対性理論などが使われました.

https://journals.aps.org/prc/abstract/10.1103/PhysRevC.109.025205

大学院生がニュートリノに関する論文を発表しました

大学院修士課程1年生の陳イクリンさん(北林研究室)が国際的な学術誌である International Journal of Modern Physics で,ニュートリノ理論に関する論文を発表しました.共同研究者は大学院博士課程2年生の兵藤悠太さんと北林先生です.

ニュートリノは光の次に軽い素粒子で,誕生直後の高温高密度な宇宙や,太陽のような輝く星の内部などで作られます.このため,ニュートリノを使って宇宙の様々な謎に挑むことができます.ただし,3種類あるニュートリノの混ざり方が詳しく分かっていないため,宇宙を調べるツールとしての性能を100%発揮できていません.

陳さんは,ニュートリノの混ざり方を表す新しい数学的なモデルを構築しました.この新しいモデルによって,太陽内部から地球に飛んでくるニュートリノと原子炉から放出されたニュートリノの混合状態を同時に扱いやすくなりました.

陳さんは「ニュートリノが物質を通過した時に何が起きるのか」についても研究中です.今後の陳さんのご活躍が楽しみです.

https://www.worldscientific.com/doi/10.1142/S0217751X23501749

理学部展示室開設のお知らせ

新たな学びの場、理学部展示室が誕生

この度、理学部では新しい展示室を開設いたしました。理学部の魅力をより深く、広く伝えるためのこの展示室では、幅広い展示を通じて理学の世界を探求できる空間を提供しています。


小柴先生コーナー:ニュートリノ天文学の軌跡をたどる

特に注目すべきは、東海大学で教鞭をとられていたこともある世界的に著名な物理学者、小柴先生に関する特別コーナーの設置です。小柴先生の科学への貢献に焦点を当て、先生の著書やカミオカンデ実験の光電子増倍管などを展示しています。

理学の奥深さと魅力を体感し、新しい知識に触れる機会として、ぜひ足をお運びください。

大学院生がニュートリノに関する研究発表を行いました。

北林研究室の博士課程2年生、兵藤悠太さんが東北大学で開催された日本物理学会で研究発表を行いました。ニュートリノは何でも通り抜けてしまう不思議な素粒子です。ニュートリノは宇宙にたくさん飛んでいるため、誕生直後や現在の宇宙の姿を調べるための強力なツールとして利用することもできます。ただしニュートリノには謎も多く、その謎が解明されるまでは、宇宙を調べるツールとして100%の性能を発揮できません。

今回、兵藤さんはニュートリノ物理学の難問の1つである「ニュートリノ混合モデルの決定」に関する研究を行いました。その結果、最新の実験結果とは一致しない混合モデルに、ほんの少しの修正を行うだけで、実験結果と一致する混合モデルが得られることを発見しました。

兵藤さんはこれまでにも、ニュートリノ混合モデルに関する数々の研究成果を発表してきました。兵藤さんの次の発表が楽しみです。

大学院生が中性子星に関する研究発表をおこないました。

ほ座のベラ・パルサー。この中心に中性子星が存在する。
(https://ja.wikipedia.org パブリック・ドメイン)

北林研究室の博士課程3年生、野呂凱人さんが京都大学で開催された「~中性子星の観測と理論~研究活性化ワークショップ2023」で研究発表を行いました。中性子星はブラックホールの次に強い重力を持っている天体で、主に中性子でできています。野呂さんは中性子がクォークとよばれている素粒子の塊であることに着目し、中性子星の内部の状態を理論的に調査しました。その結果、中性子星が安定して存在するための条件の1つを、これまでにないミクロなレベルの研究によって得ることに成功しました。中性子星は強重力天体のため、この研究には素粒子理論だけでなく、アインシュタインの一般相対性理論も使われました。

中性子星にはまだまだ謎がいっぱいあります。野呂さんは「ハイペロンパズル」とよばれている難問にも意欲的に取り組んでいます。野呂さんの今後のご活躍が楽しみです。