学生による研究紹介 宇宙線反粒子探索計画GAPSの開発

宇宙線反粒子探索計画GAPSの開発を行っている、物理学科4年生河内研究室の大山千晶さんによる研究紹介です。
宇宙線反粒子探索計画(GAPS)は日米伊を中心に約60名が参加する南極周回長時間気球実験です。宇宙線中に微量に含まれている反粒子(とりわけ未発見の反重陽子)の高感度探索を通じてダークマター等の初期宇宙物理の課題に迫ることを主目的としています。
私はJAXAに赴き、気球フライトに耐えうる冷却システムの開発を主に行いました。実験結果が明らかにおかしい時、原因解明の為に実験装置のパーツや使用した液体の温度、温度センサー等を一から確認しなければならなかったことは大変でしたがやりがいがありました。
基本的な作業(実験装置準備から結果を出すまで)のほとんどを自分に任せてもらえましたが、ミスが入ってしまうこともありました。しかし、ミスをしたとしてもちゃんとこういう理由があるから注意が必要なんだよ、と学生目線で一緒に考えていただいたことや、目立たない部品の実験でも試験機を動かすためには必要不可欠なものであり、国際的なプロジェクトの一員として名前が載るんだよと言われたことが印象に残っています。
このように、東海大学ではJAXAと共同で研究を行うことが出来ます。大学には無い研究施設や研究員の方と実際に関わる経験はとても貴重であり、実験以外にも目的に対する考え方やデータのまとめ方を自分なりに見つけ学ぶことが出来ると思います。